タイトルこれからのナースに実践してほしいこと―日野原重明から医療者へのメッセージ
著者・編者;日野原 重明
出版社;中山書店
出版年;2017年
ISBN;9784521745749
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内容紹介

2017年7月に逝去なさった日野原重明先生の講演録集。全国約30カ所で開催されたセミナーから,京都,神戸(2回),鹿児島,沖縄,山口の5カ所6回分を収録した。日野原先生が看護師へ向けて発した「勉強し続けてほしい」「自ら新しいことに挑んでほしい」「ナースは医師と協働すべきである」といった強くて熱い想いを伝える。

出版社からのコメント

講演の雰囲気そのままの優しい語り口調で,読みやすくまとめました。看護・医学の話にとどまらず,日野原先生の幅広い知識・蘊蓄も披露し,さらに小っちゃなくすぐりも挿入されているのでどなたにも楽しく読み進められる1冊です。
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本文より、先生の言葉を6つ(各章一つ)抜粋
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血圧を測るのは医学だと思うのは間違いです。体温は患者さんが測っているじゃないですか。そしてお医者さんが患者さんに「熱は何度ありました?」と訊きますよね。体温は測ってなぜ血圧は測らないのでしょう?
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熱がある患者というのは、熱を大切にしてほしいんです。「熱なんかありません」と言ったら捨てるような言い方でしょう。せめて「熱はありませんよ」とやさしく言ってほしいですね。
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ナースの皆さんは二交代か三交代で24時間ケアをやっているのだから、変化を見るという点ではお医者さんより優位な立場にいます。ナースはお医者さんが見落としているような心理的・社会的な問題に目を付ける以外に、診察の3分以外の23時間57分間の体の変化を見ることができるんです。
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真っ向から受け取らないひねくれたお医者さんもいることでしょう。でも皆さんはそういう人とも付き合いをしなければならないのです。そういう嫌な思いをすることがあるかも知れないけれど、皆さんはどんどん医学の知識を取り入れ、カンファレンスの内容が理解できるナースになってください。
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案外最新情報が漏れている研修医もいますから、皆さんが間違いに気づいた際には「先生、そうではないようですよ」と、勇気を持って言えばいいんです。遠慮する必要はありません。
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命というのは長さではないのです。がんであと1週間しか生きられないターミナルなときでも、「今日をどうよく生きるか」ということが必要であって、決して長さではありません。クオリティを高くするために、医学や看護は何をすべきか。私たちみんなが問われています。
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

日野原重明
1911年山口県生まれ。1937年京都帝国大学医学部卒業。1941年聖路加国際病院内科に勤務。1951年米国エモリー大学に留学。聖路加看護大学学長、聖路加国際病院院長、一般財団法人ライフ・プランニング・センター理事長などを歴任。1998年東京都名誉都民、1999年文化功労者、(東京都)中央区名誉区民、2005年文化勲章受章。2017年7月18日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


目次

三つのVを心に―まえがきにかえて
1章 ナースがプライマリ・ケアを担う時代がやってくる  
  • やらなきゃ駄目、日野原先生。教えてあげるから   
  • ナースでもドクターでも同じように診察すればいい   
  • 医学・看護はサイエンスに基づいたアートである   
  • 医師が眼底を診られなければ看護師が診ればいい   
  • 税務署で血圧測定をしたら皆高血圧?   
  • 重明、治るよ、治るよ   
  • ヘルニアで入院1週間? とんでもないよ。外来でやりたまえ   
  • 先生はお忙しいから問題の1、2だけに答えてくだされば結構です ほか
2章 ナースに大切なのは明るさ、そして機転  
  • 36度5分ですから熱なんかありませんよ  
  •  今までは柳の下で二匹目のドジョウを狙って満足していた   
  • ヘビースモーカーは平生から白血球が多め   
  • アメリカのナースはドクターを教えるほど専門性が高い   
  • 訊いたけど答えなかったからわからない、じゃ駄目 ほか
3章 看護も変わらないと時代遅れになる  
  • ポテンヒットのようなことが医療の中でも起こっている   
  • あなた、血圧は平生いくらくらいですか?   
  • 太い腕には太くて長いマンシェットを   
  • 言い伝えの中には間違っていることもたくさんある   
  • あなたが効く60%になるか、効かない40%になるかはわかりません ほか
4章 首から下げている聴診器は使うためにある  
  • うつ伏せで寝れば褥瘡がなくなる   
  • 人間の欲望がバイアスの掛かった研究を生む   
  • これこそまさに看護の観察   
  • 「おかしいな」と思ったら、薬を替えてもいいよ  
  • MRIより人間のレセプターのほうがはるかに敏感   
  • 安静にしていたから治らない ほか
5章 バイタル・サインは生きてる証拠  
  • 正しい血圧の測り方を知らない人が依然多い   
  • 心尖拍動を診て心臓の大きさを測る   
  • 心電図の読み取りは簡単なパターン認識   
  • 血圧低下によるショックで饒舌になる   
  • 「37度で熱がある」は明治時代のこと ほか
6章 看護を支えるための大きな医学をしっかり学ぼう  
  • 水を与えていい脱水と、与えてはいけない脱水とがある   
  • 人工骨頭の置換手術をしても翌日には歩いてもらう   
  • 心筋梗塞だから寝てないでください   
  • ヘルニア手術の後でもやっぱり安静は不要だった   
  • 看護師は24時間患者さんの健康状態を預かっている ほか