タイトルゲーム理論で読み解く国際法―国際慣習法の機能
著者・編者;森 大輔
出版社;勁草書房
出版年;2010年
ISBN;9784326402632
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内容紹介

中央集権的機関のない国際社会で法の持つ意味とは。激動の時代に国際法の果たす役割を、ゲーム理論を用い新進気鋭の学者が問い直す。
国際法には、国内法のように法を作り強制する上位機関が存在しない。それに適応した国際法のユニークな制度が慣習法である。本書は、自国の利益を考えつつ戦略的に行動する国家と、その行動から生まれてくる慣習法の間の相互作用をゲーム理論で分析し、慣習法が国際社会で果たす機能を説く。国際法にゲーム理論を適用した本邦初の研究書。
推薦のことば 「尖閣列島問題、北方領土問題、在日米軍基地問題など国際法が問題となる事案は急増している。また、地球温暖化問題や生物多様性問題、WTO事案、さらには国際結婚など、国際法的な問題が我々の日々の生活に直結する時代となっている。『国際化の時代」という言葉は既に使い古された感もあるが、『グローバライゼイション』が標語としてではなく言葉の真の意味で日常化したという意味で現代は『国際法の時代』と呼べるかもしれない。本書は、国際法について経済理論やゲーム理論を用いて基礎理論を展開する日本で最初の書物であり、現代日本人の必読書となるであろう。」  ―太田勝造(東京大学大学院法学政治学研究科教授、法社会学)

内容(「BOOK」データベースより)

激動の時代。中央集権機関のない国際社会で、法は救世主となりうるのか。自国の利益を考えつつ戦略的に行動する国家と、国家の行動から生まれてくる国際慣習法。その相互作用をゲーム理論で分析し、慣習法が国際社会で果たす機能を、新進気鋭の学者が問う。 著者について 東京大学法学政治学研究科助教.法と経済学,法社会学専攻.

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森大輔
1981年愛知県に生まれる。2004年東京大学法学部卒業。2006年東京大学法学政治学研究科修士課程修了(法社会学)。2009年ジョージメイソン大学ロースクールにてLL.M.(法と経済学)取得。現在、東京大学法学政治学研究科助教。法と経済学、法社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次

はしがき
第1章 序論  
  • 1.1 国際慣習法という問題のユニークさ 
  • 1.2 「法と経済学」と国際法 
  • 1.3 本書の構成
第2章 国際社会と国際法の特徴  
  • 2.1 立法機能の分権性 
  • 2.2 司法制度とその限界 
  • 2.3 執行制度の多元性 
  • 2.4 国家間関係のための法
第3章 国際慣習法制度の概要  
  • 3.1 定義 
  • 3.2 成立要件 
  • 3.3 国家慣行 
  • 3.4 法的確信 
  • 3.5 2要件説への批判 
  • 3.6 慣習法に関するその他の問題
第4章 経済学の考え方  
  • 4.1 近年の経済学の変化 
  • 4.2 記述的分析の経済学 
  • 4.3 規範的分析の経済学
第5章 国際慣習法とゲーム理論  
  • 5.1 国際社会における合理的選択理論 
  • 5.2 ゲーム理論の基礎 
  • 5.3 GoldsmithとPosnerによるゲーム理論の導入 
  • 5.4 ゲーム理論のさらなる適用
第6章 国際慣習法の進化ゲーム  
  • 6.1 進化の理論と実験の手法  
  • 6.2 進化・実験と国際慣習法  
  • 6.3 進化・実験は国際社会に適用できるか
第7章 国際慣習法と評判効果  
  • 7.1 評判効果のゲーム理論 
  • 7.2 国際社会における評判の重要性
第8章 国際慣習法の機能への洞察  
  • 8.1 取引費用と国家慣行 
  • 8.2 コンストラクティヴィズムと法的確信 
  • 8.3 理論相互の関係
第9章 国際慣習法の規範的分析  
  • 9.1 国際社会への厚生経済学の適用 
  • 9.2 国際慣習法の効率性 
  • 9.3 国際慣習法の非効率性 
  • 9.4 規範的分析についての議論の評価
第10章 多国間協力の可能性  
  • 10.1 集合行為と集団の規模 
  • 10.2 多国間の囚人のジレンマゲーム
第11章 国際慣習法の制度設計  
  • 11.1 表明説のモデル化 
  • 11.2 一貫した反対国・事後の反対国の法理のモデル化
第12章 国際慣習法を捉える新しい視点  
  • 12.1 法の機能 
  • 12.2 国家慣行の機能 
  • 12.3 法的確信の機能 
  • 12.4 国家慣行についての諸問題 
  • 12.5 法的確信の証明 
  • 12.6 条約と慣習法 
  • 12.7 特別慣習法・一貫した反対国・新国家 
  • 12.8 慣習法の変化 
  • 12.9 新たな性質を持つ国際慣習法 
  • 12.10 判例の分析 
  • 12.11 まとめ
文献
索引